表情から生まれる声

 

ある全盲の方より。

 

「話しかけてくれる相手が、

 

 笑顔の時の方が、言葉が聞き取りやすい。

 

 目が見えなくても、声で表情がわかる。」

 

とのこと。

 

 

 

先日、ある福祉施設の朝礼で、

 

施設長から、このようなお話がありました。

 

この日、私は朝からとても疲れていて、

 

明るく笑顔であいさつができていない自分に

 

心の中で、反省していたところだったので、

 

ハッとしました。

 

 

 

音楽療法の研修では、マスク着用での歌や

 

語りかけは、表情がわかりづらいために

 

効果が半減しやすいという話もありました。

 

マスクを着用していても、顔の上半分で

 

眉を大きく動かしたり、目ヂカラを活かしたり、

 

表情豊かに表現することの意義を学びました。

 

 

 

 

学校の音楽教育でも、やはりマスク着用のため

 

従来の合唱指導は、難しくはあるけれども、

 

無音で歌う心唱やハミング唱などに、

 

口パクならぬ「顔パク唱」といった

 

目から上の表情の指導を加えて

 

実施するという提案もされています。

 

 

 

 

私が、音楽専科として小学校に勤めていた時、

 

合唱の研修会で、顔の表情、特に笑顔で歌うことの

 

大切さを教えられました。

 

笑顔といっても、抽象的なので、

 

「ほっぺたを上げる」

 

「上の歯が見えるようにする」

 

「目も笑う」(真剣すぎて目が怖い人もいた?)

 

と、鏡で自分の顔を見ながら、演習も行いました。

 

自分では笑っているつもりでも、

 

鏡で確認してみると、

 

上の歯が、全く見えていなかったり、

 

口を閉じている時に、口角が下がっていたり…。

 

 

 

 

 

また、印象に残っている実験としては、

 

笑顔で歌わないと、音程が下がっていくという現象でした。

 

ほっぺたが下がることにより、くぐもった声になり、

 

声そのものも暗く感じられ、音も下がっていく。

 

合唱曲では、特にソプラノパートが、サビなどの

 

一番高く、美しいはずのところで、声が上がりきらず、

 

下がってしまうことも、たびたび耳にしていました。

 

 

 

実験では、

 

歌い始めの音だけをピアノで取って、最後まで伴奏無しで

 

歌った後、一番最後の音をピアノで取ってみると

 

音が半音の半音ほど、下がっていました。

 

ほっぺたを上げることを強く意識して、歌ったときの方が

 

音程が下がりにくいという結果が心に残りました。

 

合唱指導では、やや高めの音程で

 

歌ってもいいくらいだという話もありました。

 

音楽の歌のテストの時、音程が高めになりやすい児童は、

 

やはり表情豊かだったという記憶があります。

 

(音程が高めの児童はめったにいませんでしたが)

 

また、同時に、ピアノ伴奏があることで、

 

正しい音程を保つことができることも実感しました。

 

 

 

 

 

オンラインレッスンをするようになってから、

 

自分の顔が画面に大きく映し出され、

 

自分で、自分の表情をよく見るようになり、

 

その日の自分の心の状態が、そのまま

 

映し出されていることにも気がつきました。

 

疲れていると、実年齢以上に年をとったような顔になり、

 

これは、まずいぞ〜。。。と思うことも。

 

 

 

 

でも、不思議なことに、生徒さまの年齢が小さいほど

 

自分の表情が豊かになることにも気がつきました。

 

これは、長年、小学校に勤めていた職業上、

 

身についた習慣なのかもしれません。

 

 

 

 

 

朝礼での、全盲の方のお話をきっかけに、

 

笑顔が作り出す、プラスの効果を

 

たくさん思い出しました。

 

歌う時だけでなく、普段から

 

笑顔でいられるようになりたいと

 

思いました。