絵本と音楽

 

『はらぺこあおむし』(エリック・カール作)は、

 

子ども達が大好きな絵本のひとつで、ご存知の方も多いと思います。

 

今日の写真は、私の手元にある小物を用いて、

 

この物語の一番最初の場面をイメージしてみました。

 

 

 

このお話に曲をつけた『はらぺこあおむし』の歌

 

(もりひさし訳詞 新沢としひこ作曲)は、

 

私の音楽教室の一部の療育レッスンの生徒さまと

 

福祉施設でのピアノ弾き語りで、利用者さんの皆さまに

 

とても親しまれています。

 

 

 

 

 

私が、この曲を知ったのは、今から3年ほど前。

 

非常勤で勤務する特別支援学校の幼稚部の子ども達が、

 

文化祭で行った『はらぺこあおむし』の劇の発表からでした。

 

それでも、その時は、自分がレッスンで歌おうとは考えておらず、

 

しばらくこの歌のことを忘れていました。

 

今年の4月。特別支援学校の勤務が小学部から高等部に変わり、

 

初めて授業を受け持つことになった生徒の一人が、

 

『はらぺこあおむし』の歌を楽しそうに口ずさんでいました。

 

「ああ、この歌!」と思い出し、楽譜を探したり、

 

動画検索をしたりして、私も歌えるように秘かに練習しました。

 

2週間後、まだうろおぼえで、緊張しながらも、

 

その生徒の前で歌ったら、ものすごく喜んでくれました。歌の後半、

 

まだおぼえきれていないところを間違えてしまいました。すると、、、

 

「あっはっはっは!!!」とその生徒が、今まで見たこともないくらい

 

大笑いをしてくれて、(ああ、こんなふうに笑うんだな〜)

 

とうれしくなりました。それ以来、生徒とすっかりうちとけて、

 

授業も楽しく進められるようになりました。

 

 

 

 

その後、音楽教室でも、何人かの生徒さまのレッスンで

 

『はらぺこあおむし』の歌を取り入れてみることにしました。

 

絵本は知っていても、歌は知らないという人もいます。

 

小さなお子さまは、保育園や幼稚園などでよく知っているようですが、

 

もう少し年齢が上だったり、成人の方だったり、またご家族の方々も、

 

最初はこの歌を知らなくても、すぐになじんで、レッスンの中で、

 

それぞれの楽しみ方をされるようになりました。

 

オンラインでも、対面でも、ご自宅に絵本がある方は、

 

レッスンになると絵本が出てきて、私の歌を聴きながら

 

絵本のページを楽しそうにめくっている様子が見られます。

 

描かれている絵は本当に素晴らしく、見ているだけでも、楽しいのですが、

 

絵本に書かれている文章と歌詞がほぼ同じになっているという点で、

 

絵と文字と歌(歌詞+旋律)が一体化されるという良さを感じます。

 

 

 

 

療育(知育)的?な視点からすると、

 

日曜日から始まり、月、火、水、木、金、土という曜日が出てきて、

 

あおむしが食べたものが、一つ、二つ、三つ・・・と数とともに

 

イラストも増えていくというのが楽しい場面と思われます。

 

(あおむしが食べた形跡として、絵本に穴があいていたり…)

 

また、歌としても、月曜日から金曜日の部分は、付点のついた、

 

楽しいリズムの旋律が繰り返されていて、親しみやすく、

 

印象に残る部分ではないかと思います。

 

(高等部の生徒が口ずさんでいた部分もココでした ♪)

 

 

 

 

曲全体としては5分を超える大作ですが、小さな曲を集めた

 

“ 組曲 ” のようで、物語と同様、この先いったいどうなるのか?

 

さなぎから蝶になる最後は、クライマックスを感じる曲調になり、

 

ピアノを弾く私も、気持ちが盛り上がり、とても楽しくなります。

 

生徒さまも、最後まで本当によく集中しているなと感心します。

 

 

 

 

 

 

この『はらぺこあおむし』の歌の素晴らしさを、なかなか

 

文章で表現するのは難しいですが、

 

私にとっては、またしても宝物の曲の一つとなりました。

 

世界中の子ども達の心に、強く優しく響く、愛情たっぷりの

 

数々の絵本を残してくださった故エリック・カール氏と

 

『はらぺこあおむし』の歌を作ってくださった

 

訳者のもりひさし氏、作曲者の新沢としひこ氏に

 

感謝いたします。

 

そして、この『はらぺこあおむし』の歌の楽しさを

 

一番最初に教えてくれた、特別支援学校の生徒にも

 

心から感謝いたします。

 

 

 

 

 

機会があれば、療育レッスンで見られる生徒さまの

 

具体的なご様子について、お伝えしたいと思います。