場を和ませてくれる楽器

 

この楽器は、ビブラスラップといいます。

 

時代劇『水戸黄門』のテーマ曲で使われている

 

「カァーーーッ!!」

 

という音がする楽器。

 

…というと、たいていの人が、

 

「ああ、あれね〜」と言ってくれたりします。

 

 

 

 

 

 

ここ3か月くらいの間に、

 

児童デイサービスから、高齢者介護施設まで、

 

幅広い世代で、このビブラスラップを

 

音楽活動に取り入れてみました。

 

すると、老若男女を問わず、

 

この楽器の不思議な風貌と音色に、

 

ビブラスラップを鳴らした人も、

 

その音の響きを聴いている人も、

 

みな顔がほころび、

 

場の空気が和らぐ感じがしました。

 

 

 

 

 

ある施設で、興味を持たれた職員さんは、

 

家に帰ってから、楽器の名前を忘れてしまい、

 

ネットで「時代劇」「楽器」「カァーッ」

 

と入力して、キーワード検索で探したと

 

後日、笑いながら、話してくださいました。

 

 

 

 

 

児童デイサービスでは、

 

音楽活動の最後の振り返りで、

 

「今日心に残った楽器はどれかな?」と聞くと、

 

真っ先にビブラスラップが指さされました。

 

そして、その日、

 

ビブラスラップを担当した小学1年生の子が、

 

活動後の楽器体験コーナーになった時、

 

「さっきあれ(ビブラスラップ)やったから、

 

 こんどは、ほかのひとにゆずるね。」

 

と、私のところに来て、優しい笑顔で

 

ささやいてくれました。

 

聞くところによると、その子は、

 

春休みの4月、音楽活動があったその日は、

 

児童デイサービスに通い始めた初日だったそうです。

 

入学式もまだこれから、というそんな時期に、

 

すでにみんなの輪の中に入り、一員となって、

 

なじんでいる様子がほほえましく感じられました。

 

 

 

 

 

音との出会い、楽器との出会いは、

 

新しい自分との出会いにもなり、

 

少しずつ、自分の世界を広げていく…

 

すてきなきっかけになるのかもしれませんね。