若い世代が生き生き働ける職場

 

毎年、参加している認定心理士の研修会。

 

今年は「認知症医療への心理的貢献」という

 

テーマでした。

 

若い世代は、高齢者福祉の仕事に従事する人が

 

とても少ないという話題がありました。

 

そもそも人口からして、若い世代は少ないので、

 

なかなか出会えないことも多いなと思います。

 

 

 

私が音楽活動を行っている高齢者施設でも、

 

あまり若い世代の職員の方はいませんが、

 

でも全くいないわけではありません。

 

とてもすてきな職員さんがいます。

 

まだ、その施設で働くようになって

 

1年半くらいだと思いますが、

 

ここ最近、初めてお会いした当初より、

 

ずっと生き生きと働くようになっています。

 

 

 

利用される高齢者の方からすれば、

 

お孫さんのようにも見えるようで、

 

私には「先生、〜ですか」と

 

丁重にお話しくださる利用者さんが、

 

「おい、○○、こっちへ来い!」

 

とその若い職員さんを呼び捨てにして

 

声をかけている場面に遭遇し、

 

心の中でちょっと驚きました。

 

でも、日々の暮らしの積み重ねから

 

お互いに信頼関係があるようで、

 

体育会系っぽいその女子職員の方も

 

最初の頃は、緊張した面持ちでありながらも、

 

「はい!!どうしましたか。。。」

 

とパパッと駆けつける感じに好感が持てました。

 

 

 

 

月に一度しか行かないような私にも、

 

「先生、コーヒーをお持ちしました」

 

「お手伝いすることはありますか」

 

などなど、とても気を使ってくださいます。

 

先輩の職員の方からのご指導もあり、

 

私がコピーをお願いした時には、

 

「すぐに事務室に行ってきなさい!」

 

私が施設から帰る時には、

 

「先生の荷物を持ちなさい」

 

「玄関まで、丁寧にお見送りしなさい」

 

など、言われた通りにてきぱきと動いてくれます。

 

 

 

 

3か月前くらいから、この若い職員さんに、

 

変化が見られるようになりました。

 

音楽活動の中で、私はよく

 

歌にまつわる季節や地域の話などをするのですが、

 

たいていは、利用者さんも職員さんも

 

うんうんと黙って、聞いています。

 

でもこの若い職員さんは、私の語りかけに応じて、

 

声を出して対話をしてくれるようになりました。

 

それが、なんとも小気味よく、

 

利用者さんの気持ちをほどよく緩めて、

 

リラックスした感じの空気に変わりました。

 

また、「北風小僧の寒太郎」という歌では、

 

先輩職員さんと一緒に「カンタローッ!!」と

 

掛け声を入れて盛り上げてくれました。

 

 

全体を見ながら、利用者の皆さんと私が

 

心地良く音楽活動ができるように、

 

持ち前の明るさでつないでくださる、

 

深い愛情を感じます。

 

 

 

また、

 

私に直接、リクエスト曲を伝えることが難しい、

 

そのような利用者さんのお心に寄り添い、

 

「先生、○○さんのお話を聞いていただけますか」

 

と私に○○さんを紹介し、私との会話を

 

少し離れたところで見守り、終わると

 

「ありがとうございました。」と

 

丁寧に声をかけてくださいました。

 

その翌月。

 

「先生、今日、○○さんからのリクエスト、

 

 お願いできますか?」

 

と私に確認をし、活動の前に○○さんに

 

お伝えしている様子がありました。

 

 

 

 

高齢者施設に限らず、福祉の現場は、

 

常に人手が足りず、常に忙しい状況なので、

 

なかなかこのような細やかな配慮が

 

できない現実があります(私も経験者)。

 

職員の皆さんに、気持ちはあっても、

 

行動で示すことは難しいことがほとんどです。

 

 

 

 

でも、この高齢者施設で、若い職員さんが

 

こんなふうに生き生きと働いているのは、

 

先輩の職員皆さんの共通した姿勢、

 

そして施設を運営される施設長さんや

 

理事長さんの方針によるものと思われます。

 

 

 

ただでさえ、過酷な現場である福祉の仕事。

 

特に高齢化の課題は、生きていれば、

 

誰にとっても、他人事とは言えません。

 

そんな中、若い世代の方々が生き生きと

 

成長していける職場は本当に貴重だと思います。

 

そして、それは、利用者さんが口々に

 

「ここの施設に来るのが楽しみなの」と

 

おっしゃっているその言葉が証明しています。

 

さらには、私にも、

 

「いつも楽しい音楽の時間をありがとう」

 

と言ってくださるたくさんの利用者さん。

 

いえいえ、これも施設の職員の皆さまあっての

 

私の音楽の時間なのです。

 

 

 

このすてきな施設とのめぐりあいに

 

感謝するとともに、

 

他の施設での音楽活動も

 

より一層大事にしたいと思いました。

 

 

 

これも、この若い職員さんのおかげです。

 

ありがとうございます。