グランドピアノのお腹

 

先月、訪問レッスンで伺っている、

 

生徒さまのお家のアップライトピアノの

 

弦が切れるということがありました。

 

そのピアノは、生徒さまのお母様が、

 

高校時代まで?使っていて、

 

昨年の秋、お母様のご実家にて、生徒さまの

 

訪問レッスンをすることになったのをきっかけに

 

長い年月を経て、ピアノが息を吹き返すことになりました。

 

 

 

 

先月、レッスンで伺い、弾いてみると、

 

何やらキーンと、

 

お腹が痛くなるような響きがありました。

 

ふたを開けて見させていただくと、

 

確かに弦が一本切れていました。

 

 

 

 

普段、ピアノの調律でもない限り、


ピアノのふたを開けて、

 

中をじっくり見ることはあまりありません。

 

でも、手元の鍵盤から、中でつながっている

 

数々の弦の太さやハンマーの形状の違いなど、

 

よくよく見てみるとその精巧さに感動します。

 

 

 

私の音楽教室では、グランドピアノを使用していますが、

 

特に幼児の生徒さまは、このグランドピアノのお腹の中が

 

とても気になるようです。

 

部屋のつくりがワンルームのロフトになっており、

 

天井が高く、音響が良すぎるほどなので、

 

普段はふたを全開にはせずに、レッスンしています。

 

 

 

数日前、レッスンの後、グランドピアノのふたを開けて、

 

お腹の中をよくよく見てみました。

 

 

低音に使われている弦は、とっても太いのですね。

 

そして、低音部と高音部の弦が、中で交差するように

 

固定されていることにも、気がつきました。

 

音によって、2本のところと3本のところもあり…。

 

弦が切れてしまうと、すぐに修理できるものではなく、

 

ピアノ製造で有名な静岡県の浜松まで、発注しないと

 

新しい弦は、手に入らないようです。

 

 

 

 

 

鍵盤を叩けば、すぐに音が鳴る楽器、ピアノ。

 

でも、歴史をさかのぼると、

 

先人たちが、あれやこれやと研究を重ね、

 

(ペダルによる余韻も、たまりません♪)

 

音楽を愛する心をより多くの人に…と、

 

ピアノという素晴らしい楽器を

 

生み出してくれた偉業に

 

心から、敬意を表します。

 

 

 

 

 

私の子どもの頃、お稽古といえば、ピアノが主流。

 

そして、クラシックピアノが流行っていた時代。

 

私の実家には、今もアップライトピアノがあります。

 

私が家を出て、ほとんどピアノを弾かなくなってからも

 

両親が、調律だけは続けてくれていましたが、ある日突然、

 

ピアノの鍵盤が崩れ落ちるということがあったと聞きました。

 

鍵盤を全部取り換えて、今は父と母の音楽療法でまた、

 

時々私が弾くようになり、ピアノも喜んでいる気がします。

 

 

 

 

私と同世代の知人から、実家にクラシックピアノが

 

そのままになっているという話をよく聞きます。

 

誰も住まなくなった家が、倒壊しやすくなるように、

 

弾かなくなったピアノも劣化しやすくなるようです。

 

思いをこめて、購入しているクラシックピアノは、

 

思い出とともに大切な財産ですから、簡単には

 

手放すことはできないのが心情だと思います。

 

ならばせめて、調律を…お考えになってはどうでしょう。

 

 

 

 

きっと、先人の思いとともに、

 

また、個々のかけがえのない思い出とともに

 

息を吹き返すことでしょう。