“ できるようになる ” ということ

 

音楽に限らず、どんな小さなことでも

 

何かが  “ できるようになる ” ということは

 

とても嬉しいものだと思います。

 

大人になればなるほど、何かに挑戦するとか

 

新しいことを始めるというのは、

 

時間的にも心理的にも躊躇してしまう…。

 

自分から、あえてその機会を見つけるとか、あるいは、

 

作り出さないと叶えられないものかもしれません。

 

または、チャンスがあっても、今は無理とか

 

どこかで諦めるきっかけを探していたり…。

 

 

 

 

私にもそんなことが、やはりあるのですが、

 

この夏から秋にかけて、果敢に?挑戦したことがあります。

 

それは、1年前に諦めていた曲を弾き語りできるようになること。

 

 

 

その曲とは、ズバリ「ぼよよん行進曲」

 

NHK「おかあさんといっしょ」で長く親しまれている曲。

 

曲そのものの明るさと楽しさが、子ども達の心を

 

惹きつけるのでしょう。

 

以前福祉施設で、私がアシスタントをさせていただいていた

 

若い女性の音楽療法士の方が、ステキな笑顔で歌いながら

 

踊るようにピアノを弾いていたのも、とても印象的でした。

 

私もいつかあんなふうに弾けるようになりたいと、

 

楽譜を手に入れたのですが…。

 

 

 

 

ピアノ譜だけでもものすごく高度で難しく、

 

とても弾けるようになる気がせず、ましてや歌うなど

 

私には無理そうだと、何度か挑戦しては諦めていました。

 

その施設では、私はアシスタントなので、歌専門?で

 

あとは打楽器や小物楽器を担当し、ピアノを弾くことはないので、

 

「弾けなくても、ま、いっか、、、」と

 

その楽譜は、いつしかしまわれたままになりました。

 

 

 

 

 

ところが、令和になってから、私の音楽教室に

 

幼児さんが次から次へと体験レッスンに来てくださるようになり…

 

ある日、来たんです。

 

 

 

「ぼよよん行進曲」のリクエスト。

 

 

 

その幼児さんはダンスが大好きで、音楽に合わせてよく踊っている

 

と、ご家族の方からお話を伺い、私は心の中で、よし!と思いました。

 

それから、およそ1か月。特訓しました。

 

楽譜を見て、技術的に弾けないところは、原曲を何度も聴いて、

 

なるべく原曲に忠実に、かつ自分が弾きやすいようにアレンジ。

 

歌もセリフの部分もなんとかマスターし、備えました。

 

そして、イメージは常に、かつて一緒に働いた、

 

あの若い女性の音楽療法士の方の、踊るような弾き語り。

 

 

 

 

体験レッスンに来て、初めて会った幼児さん。

 

最初は「パプリカ」を弾き語りしたら、大喜び。

 

すぐに踊ってくれました。

 

言語的なコミュニケーションが困難な幼児さんですが、

 

パプリカの手のしぐさで「もう1回!」と伝えてくれました。

 

2回目の後も「もう1回」とリクエストが来そうだったので、

 

試しに「ぼよよん行進曲なんてどう?」と聞くと、

 

ぱあ〜っと花が咲くように、みるみる表情が明るくなり、

 

「ぼよよよ〜ん」の格好で「ぜひ!」と伝えてくれました。

 

 

 

ずっと一人だけで練習してきて、この時初めて人前で

 

「ぼよよん行進曲」を弾いたのですが、、、

 

その幼児さんが、あまりにも嬉しそうで、楽しそうに

 

踊っている姿を見て、感激のあまり、

 

私は、泣ききそうになり、声が上ずってしまいました。

 

 

 

ずっと弾きたくて弾けなかった曲を弾くことができた。

 

しかもその私のピアノで、こんなにも喜んで踊ってくれている…。

 

終わったとたん、「ぼよよよ〜ん」の格好で「もう1回!」

 

 

 

結局この日、「パプリカ」3回、「ぼよよん行進曲」3回、

 

最後、おまけで「エビカニクス」を1回。

 

パワフルな体験レッスンとなりました。

 

よくよく振り返ってみると、この幼児さん。

 

「パプリカ」も「ぼよよん行進曲」も回を重ねるごとに、

 

踊れる部分がどんどん増えていき、楽しくてたまらない様子。

 

もともと踊れる部分は、さらにその動きに磨きがかかって、

 

自信に満ちた表情。踊りながら体全体のバランスが取れ、

 

手足の動きにも、しっかりと気持ちが込められていました。

 

“ できるようになる ” ことの喜びを全身で伝えてくれた、

 

そんな気がしました。

 

 

 

もしも、この幼児さん(ご家族の方)が、

 

「ぼよよん行進曲」をリクエストしてくださらなかったら、

 

私は、今もこの曲を弾けるようにはなっていなかったでしょう。

 

音楽教室つむぎうたで、何かが “ できるようになる ” のは、

 

生徒さまだけではなく、私自身もなんだな、と

 

できる喜びを共有できたことに幸せを感じました。

 

 

 

すべてのリクエストに応えることはできませんが、

 

これからも、生徒さまとともにのびゆく私でありたい、

 

生徒さまとともにオリジナルのレッスンをつくっていく、

 

そんな音楽教室つむぎうたでありたいと

 

今、強く、心に思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぼよよん行進曲」(田角有里・中西圭三作詞 中西圭三作曲)

 

「パプリカ」(米津玄師作詞・作曲)

 

「エビカニクス」(増田裕子作詞・作曲)

 

 

 

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